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平成23年度は未曽有の東日本大震災にみまわれ、熾烈な社会環境の中でスタートいたしました。震災でお亡くなりになった方々へ心より哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方にお見舞い申し上げます。長崎県病院企業団からは、現時点で6チームの医療支援団構成や県支援団への参加の形で震災地への医療援助を続けています。復興が一日も早く進むことを心より願っています。

さて、医療崩壊が叫ばれ数年が経過いたしましたが、医師不足、医師の偏在はますます顕著となり改善の兆しはありません。政府では医学部定員の増員や地域枠を大幅に広げ、偏在解消策を打ち出していますが医療現場への効果ははるか先のことになります。特に離島、へき地での医師不足は年々厳しさを増しています。

長崎県病院企業団では、健全経営と離島及び周辺部の継続性ある医療提供、医療レベルの向上を目標に努力してきました。経営面では、構成11施設(10病院1附属診療所)の努力のもと、平成22年度は企業団発足2年目で経常収支黒字を達成できる見込みです。また、医療が進み住民意識としてより高い医療レベルを求められること、人口の著しい減少や医師の増員が当面困難なことの観点より、医師、看護師をはじめとする医療資源の集約で皆様方の要望にこたえるしか方法がなく、病院改革を進めてまいりました。

上五島地域では、平成21年11月、有川病院を上五島病院附属診療所有川医療センター(無床)とし、平成22年度に人工透析部門、リハビリテーション部門の拡充工事を行い、本年4月より運用いたします。奈良尾病院も本年4月に上五島病院附属診療所奈良尾医療センター(無床)となり、一年後には通院が容易な奈良尾港ターミナルそばに新しい診療所をオープンすることになりました。これらの改革で11名の看護師さんが上五島病院に移り、縮小していた療養病床の再開や、10対1看護の取得が出来ました。両附属診療所には本院である上五島病院より外来診療等の応援態勢をとり機能の向上を図る予定です。

対馬地域では、懸案であった対馬いづはら病院と中対馬病院を統合し、より医療機能の高い新病院建設を目指していましたが、275床の新病院を対馬空港そばのグリーンピア地区に平成26年10月にオープンすることが決まりました。開設まで時間的に余裕が少ないですが職員一丸となって努力してまいります。また、上対馬病院では、休止していた療養病床を廃止し、新たに人工透析施設を拡充いたします。

下五島地域では、五島市の医療体制あり方検討委員会が間もなく提言をまとめる段階であり、その結果により改革の方向を確定することになります。

本土地域の島原病院では、本年4月に長崎医療センター木下呼吸器科部長が副院長として赴任し、呼吸器内科が3名体制で運営されます。また、高機能CTを導入し、さらに第2MRIの増設も進めており、今後の検査が容易になります。精神医療センターの組織改革は完了し急性期精神医療、児童思春期精神医療、医療観察法病棟の3機能が順調に作動しています。

厳しい医療環境ではありますが、長崎県の周辺部医療を全職員で守ってまいります。ご協力のほどよろしくお願いいたします。


平成23年4月1日               
長崎県病院企業団企業長 矢野右人