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 長崎県病院企業団は、病院を経営する特別地方公共団体(一部事務組合)として平成21年4月1日に発足しました。現在、構成団体は長崎県と6市1町で、8病院と3つの附属診療所を経営しています。病院の所在地は離島及び本土周辺部であり、人口減少に加え、医師・看護師の不足や地域偏在など、厳しい経営環境におかれていますが、継続性ある医療の確保と医療レベルの維持という大きな責務を果たしています。

 当企業団がこれまで最も力を入れてきたのが離島地域における病院再編です。各地域における取組みは以下のとおりで、住民の皆さまのご理解と関係機関のご協力により、平成27年度をもってほぼ基本的な形ができあがっております。

 上五島地域では、平成21年11月、有川病院を上五島病院附属診療所有川医療センター(無床)としました。また、平成23年4月、奈良尾病院を上五島病院附属診療所奈良尾医療センター(無床)とし、平成24年4月には通院に便利な奈良尾港ターミナルそばに新しい診療所をオープンしました。これらの改革で看護師が上五島病院に移り、休止していた療養病床の再開や、10対1看護の取得ができました。

 下五島地域では、平成26年1月、奈留病院を五島中央病院附属診療所奈留医療センター(19床)としました。高機能診療所として夜間救急にも対応することとし、これまで病院として担っていたのと同レベルの医療提供を果たしています。

 壱岐地域では、平成27年4月1日から壱岐市が企業団の構成団体となり、壱岐市民病院が長崎県壱岐病院と名称を変更して企業団の一員になりました。企業団加入後も、従来同様に島内医療機関との連携を図りながら、壱岐地域の中核病院として、医療の確保に努めています。

 対馬地域では、対馬いづはら病院と中対馬病院を統合・移転した対馬病院が平成27年5月17日に開院しました。新病院では、ハイケアユニット8床の設置等による救急部門の充実や無菌治療室の新設、県内の離島で初となる放射線治療装置導入など、医療機能の充実強化を図り、対馬地域の中核病院として、また、島内唯一の災害拠点病院として、対馬に暮らす住民の皆さまへの医療提供に努めています。

 なお、本土地区におきましては、精神医療センターに専用治療室を備えた「ECTセンター」を平成25年度に開設しました。ECTは、薬物治療に抵抗性のあるうつ病や統合失調症などに適用される治療方法で、患者本人・ご家族への十分な説明のうえ、経験を積んだ医師と看護師のチーム医療のもとに実施しています。また、島原病院は、平成24年度にICUの増床工事を行い、平成25年4月から新しく脳卒中の集中治療を行うICUの運用を開始しました。平成26年4月には、長崎大学と長崎医療センターの共同による小児医療の研究拠点開設にあわせて小児科を再開しました。

 また、医療の提供にあたって、特に離島地域においては、看護師等の確保が深刻な課題となっています。そのため、平成22年度から、都市部の大規模病院から離島の病院へ看護師等を派遣する「アイランドナースネットワーク事業」を実施しています。国立病院機構長崎医療センターをはじめ現在までに4つの病院と協定を締結し、離島の病院へ看護師を派遣していただいています。

 さらに、平成25年11月に特定非営利活動法人ジャパンハートと長崎発「海外医療パートナーシップ推進事業」の協定を締結いたしました。この事業は、職員の相互交流を通じた、お互いの職員の資質向上を目的としています。海外ボランティア活動前後の離島病院の活用、職場の短期海外研修先を確保することができるという、双方にメリットがある事業です。

 平成28年4月には、本県離島初の診療看護師を五島中央病院及び壱岐病院に採用しており、チーム医療の要として、今後は、各基幹病院への配置拡充を進めてまいります。

 本県では、特に離島を中心に急激な人口減少などに伴って患者数の減少傾向が続いており、こうした状況に歯止めをかけ、今後も地域に必要とされる医療提供体制を維持するため、本土の医療機関を受診される患者さんのうち、地域内で治療可能な患者さんに地域内で受診していただくよう、 “郷診郷創”「地域での受診が、地域を創る」をスローガンに病院企業団全体で信頼される病院づくりに取り組んでまいりますので、皆様のご協力のほどよろしくお願いいたします。


平成29年4月1日               
長崎県病院企業団企業長 米倉正大